「青峰」
「ーー、
……"センパイ"な」



ガコンッと自販機からコーラ缶を取り出し青峰に投げる
あ"?とイラついた声が耳に入りこっちも何?と笑顔で対抗



「汗だく、ほら拭けって」
「なんでここにいんだよ」

「キセキ巡り」
「ハァ?」




座ってる青峰の髪を撫ぜる
そうすればニヤリと笑う青峰がバスケットボールを手にした




「1on1すんだろ?」
「御名答、青峰、負けたら飯奢れよ」
「そっちこそ、負けたら食わせろよ?」

「ああ、なんでも奢ってやるよ」




タンッと地面を踏む感覚
高2になってもかわんねーなァ

強い光を持つ彼を欺くのは難しい



ガコンッと入ったボールを眺めて息をハァハァと吐く





「年取った?」
「まだ18だっつーの」




銀色の髪を束ねてスッと息を整える
一瞬青峰が俺の動作に警戒した瞬間、すでに俺は青峰の横をきっていて





スッ




網を掠める音が小さく響きボールがタンッタンッと落ちる
振り返ってニッと笑えば、嬉しそうに口角を上げる彼

相変わらず猛獣みたいな顔だな




そっからは無言の戦い
とってとられ
気付けば夕暮れになっていた




「あー、あーもう動けない、青峰―おんぶー」
「なんでだよ」
「おー、んー「うるせェ」 むぐっ、ほへ」




頬を押さえつけられむーむーと抗議
離せェ、離せェエエエ!

睨んでいたら青峰の顔が一気に近づいて唇にかみついてきた
え、なんで怖い怖い!


「ンッ、んーッッ!!」



流石の青峰
本気で食べられるかと思うくらいのキスに思考は完全にショートしてた
んで、やっと離れたと思えばニヤリと笑うそいつは



「一点、俺のが高かった」
「え、ウソ…おれ、数えてないや」
「だろうなァ」




約束
あ、ああ何が食べたいんだ?もんじゃ?焼肉?バーガー?バニラシェイク?






「あ?」
「お前の家こっから近かったな」

「おい、ちょちょ待て待て許さんぞ」
「食わせろっつっただろ」
「何をだよ!!」


「オマエ」
「(終わった)」




猛獣の目、バスケの時と同じ目を俺に向けてくるものだから
優しく俺は死亡フラグを回収した




死亡フラグ

(バスケがつまらないなんて、俺が言わせない)


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