「赤い服を着た少年…!!」
「こいつが…!いけっ!アーボック!!」




施設内が騒がしい
今日はなにかまた実験にされちゃうんかな


スリッとすり寄ってくるのはこの施設に閉じ込められている
赤い毛並みをした子犬さんと羽の傷ついた鳥さん

どうにかしてこの2匹を外に出してやりたいなあと模索中なんやけど




「ガウッ」
「ロキ、すまへんな…ぼくもわからへんのや」
「くーん…」
「そないさみしそうにしたらあかん、男の子やろ?」
「…くるっ!」
「わー!トキもつっつかんで!こしょばゆいん!」
「くるー」




ああ、かわええなあ
やっぱりこの2匹をどうにかして出してあげなければ
僕はここに居て数年たつから慣れたけど
この子たちはほんの一週間前に押し込められてきたんだ

なんだかいうには
この子犬、ロキってつけたんやけどはでんせつのぽけもんになると言われている
そう言っていた
トキという鳥さんはいどうしゅだんようのほかく
らしい



「…、すまへんなあ」




2匹の頭を撫でれば満足そうに微笑んでくれるけど






!」
「ッ」





ビクリと体を揺らせば、奥からRの文字で書かれた人たちが出てくる
それに驚いて身をひっこめれば2匹がその人を威嚇する




「こいつらを眠らせろ、モルフォン」
「っ!この2匹になにするん!!」
「うっせーな、もたもたしてられねーんだよ…ッ!」




そういうや否や、その人の背後で大きな火炎が視界にはいった
えっ、と視線を上にあげれば赤い服をきた青年が大きなドラゴンと一緒にこちらを見据えている




「ッチ、ここがばれたらヤバイ…!モルフォン!!ねむりごなだ!」
「リザードン、かえんほうしゃ」
「っく!」




目の前が真っ赤に染まりすぐに「カメックス、バブルこうせん」と聞こえ
火が消える





「…え」
「きみ、大丈夫?」
「え、誰…」
「……レッド、こいつはリザードン」
「リザードン」



「ガウッ!」






突然横からロキが僕に手を伸ばしてきぃはったレッドにかみつく
その光景を見た背中にのっている黄色い生き物が「ピカァ!!」とロキを威嚇し始める




「ピカチュウ。だめだよ」
「チュウ」
「この子たちは、キミのガーディとピジョン?」
「がーでぃ?ぴじょん?」

「え?」
「なんやそれ、この2匹はこっちがロキで、こっちがトキやで」
「……、ロケット団」
「チュウ…」

「なっ、なんなんレッドさん、その…がーでぃとかぴじょんっちゅーのは」
「…この二匹の名前だよ」
「え、名前があったん?」
「種族の名前…だからトキとかロキって呼んであげればいい」




「そっかあ」
「…ここを出るよ」
「え、出るって?外に!?」

「そうだよ、嬉しいの?」
「うん!ロキ、トキ、おにーさんが連れてってくれるって!」


「くるー!」「がう!」


「えへへー、嬉しいなあ」
「…ポケモンと話せるの?」



「ッ!う、うん」





そうだ
俺はこの2匹の言葉がはっきり自分の言葉と同じように聞こえる




『大丈夫か
『大丈夫ですか?



ロキが立ち上がった俺の周りをクルクルと周り
トキが心配そうに顔を覗いてくる




「大丈夫やって」
『そうか、こいつは信用していいのか』
「きっと大丈夫レッドさんは悪い人じゃない」
『しかし、に何かあったからでは…』


「大丈夫、トキも心配しすぎやで」

「キミ、名前なんていうの?」
「あ、っちゅーねん!よろしゅうなあ」
「ああ、よろしく…もうロケット団の幹部は倒したから安心して大丈夫だよ」
「かんぶ」
「ロケット団の偉い人、ロケット団はわかる?」
「うん、この施設の人たちのことをいうんやろ?勉強させられたねん」
「え?」
「ロケット団についてなあ」




「…そう」





それからレッドさんは肩に乗せたピカチュウ(というらしい)と一緒に俺の手を引いて外に出る
久々の日差しに眉を寄せるとレッドさんの赤いボールからリザードンがまた出てきた



「ええ!?」
「ああ、これ知らない?」
「いま、リザードン…」
「モンスターボール、ポケモンをこの中に入れることができる」
「く、くるしゅうないの?」


『問題ねーな。むしろ快適だぜ?』




そう言うリザードンにレッドさんが載りあがる
そして俺の腕を引き俺も一緒にリザードンに乗せられる

ロキを抱えてた俺とそのまま飛び上がって俺に寄り添うトキ
それを確認したレッドさんがリザードン、マサラタウン
それだけを言うとリザードンが高く飛び上がった






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