ガサガサと草間をかき分けて忍術学園の方向に向かう
一瞬の殺気に振り返りクナイを弾き返せば
相手が降ってきて蹴りが降ろされる
「―――、そう簡単にはいかせてくれないか…うざったい!」
刀を取りまずは一人殺める
「(忍術学園の夏休みは今日でおしまい…)」
ということは先生方は確実に学園に居るはずだ
今から向かえば夜にはつくから
「ッ!」
「なかなかの手練だな」
「…そっちこそ、流石はタソガレドキ…ちゅうとこか」
「…」
顔には出ないが気配が揺らぐのがわかる
雑渡さんの野郎…
許さへん
「後ろとった」
「…!しまっ…!」
突然の雑渡さんの気配と体の衝撃に視界が揺らぐ
「忍術学園にそんなに急いでどうしたの…っていいたいけど」
「……」
「―――、訳あり、みたいだね」
「なるほど、俺が学園に情報を露呈させるとでも思うたんか」
「うん」
「――、ばーか」
「そうじゃないみたいだね、けど」
「あ?」
「そこ、後ろ崖になってるから」
一瞬で雑渡さんは後退し、距離をとる
俺も逃げようと足を踏み出すが雑渡さんのクナイが飛ぶ
ぐらりと視界がゆれ自分が崖から落ちる感覚
翻して木に移ろうとするが今度は大量の焙烙爆弾が飛んできた
「ッ!」
「暫くは寝ててね」
最後は吐き捨てるように聞こえ敵の気配は遠くなっていった
「――――っ、あ」
「あ、目を覚ました!」
「おぉ、大丈夫かァ?」
「え、」
「おめぇ、風魔のサバイバルコースに落ち取ったべ」
「ふーま」
「怪我はないみてぇだげん、」
「見たところによれば、忍術学園の人間だとわかります」
「!」
何でわかったんだ、と目でにらめば留三郎に似た彼がニカッと笑う
「おめぇの懐に学園長先生の文が入ってたからな」
「…見たのか」
「素性をしるためです、許してください」
「―――、なぜ忍術学園を知っている」
「そりゃあ喜三太がおるとこだからわかる」
「きさんたっ!そうだ、喜三太!!」
「おめぇ、喜三太のトモダチかァ?」
「あ、せや…俺、どれだけここに…!」
「いや、一日だけです…今はまだ明け方ですし」
「っ…!!」
まずい!立ち上がると僅かに足の痛みを感じる
くじいたか…
「…そもそも、なんで相良の風魔がこのあたりに…」
「サバイバルコースの実習でな、来ていたんだ」
「――、さよか…、おおきに、めちゃ助かった…俺の名前は …よろしゅうな」
「ああ、俺は錫高野与四郎という」
「わたしは古沢 仁之進です、喜三太とは友人で…」
「随分年の取った友達がおるんやなあ」
「っはは、訳がありましてね」
「ほか、ほんなら俺は急ぎの用事があるさかい…行くわ」
「すぐ行くだろうなとおもったがや!ほら、このあたりの地図、忍術学園は南西にあるべ」
「なにからなにまでおおきに、今度会ったら茶屋に行こう。お礼をする」
「なーに!大したことないがあ!なあ?」
「ああ、喜三太の友人を助けれてホッとしているよ」
「おおきに、じゃあ」
「おう!」
「ええ」
地図を握りしめその場を去る
痛む足は今は構っていられない
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