「んー、ん?」
「起きたァ!起きたアル!!銀ちゃん!!銀ちゃぁあああああん!!!」



「うるっせえ!隣に居んだろ!!」




なんだ、なんで万事屋の声




「ぎ、」
「あー、喋んなうるせえ」
「うるさいとはなにアル!兄が居なきゃお前なんかハゲてたアルよ!!」
「ハゲじゃねえよ!!あー、クソ…おい、どっか痛くねえのか」


「…ぎんとき、パクられたの、っでぇ!」
「だぁれがパクられるかボケェ!!!」
「だ、だって…なんでここにいん…の?」


声が掠れてるな
というか工場であの変なビーム受けて




「喋んなクソが、なぁに飛び出してんだ自殺ですかーコノヤロー」
「ふぎゅ」




頬をグリグリとされていたいです
周りを見渡せば万事屋ではなくて、屯所の俺の部屋




「…兄が目を覚まさなくて心配で来たんですよ」
「新八だ」
「新八だ、じゃないですよ。どうしてこうも銀さんと一緒なんですか!」
「そうアル!銀ちゃんはまだしも兄みたいな人間がこの世から居なくなったら太陽が居なくなったと同じアル!」
「どういうことだァコノヤロー」




右腕を持ち上げれば鉛のように重い
あれー?と声を漏らせば新八がはぁと息を吐く



「ダメですよ、兄…貴女1週間も寝ていたんですから」
「え、ウソ」
「というか本当は死んでた勢いですからね」
「そうなんだ」
「そりゃあ砲弾みたいなものを直で受けてよく生きてましたね」

「あ」




そういえばあの時に盾にした刀は?




「そうそう、刀…ボロボロでしたよー。」
「そうなんだ」
「よくあんなんでビームを斬りましたね、人間ですかアンタ」
「人間だよー、あ、新八…サンキュ」




水を差しだされて飲み込む
あー、生き返る…
起き上がり座りの体制に入り額を押さえる




「あ、そうだ!ゴリラ呼んでくるアル!」
「そうですね。兄が起きたこと教えに行ってきます」





バタンッと障子が閉じバタバタと去って行った
元気だなー
そんな2人の様子にクスリと笑う




「なぁ」
「ん」





ペットボトルに入ってる水の波紋を見つめる
今日は寒いねーなんて銀時を見れば頭をガッと掴まれ



「おぶっ!」




布団に叩きつけられてしまった
グリグリと枕に擦り付けられイタイタイともがいても銀時は無言で枕に俺をこすり付ける




「もーもーもー」
「アホかお前死ぬ気かこの野郎、肝冷えたじゃねえか」
「ーー、なんだ銀時」




銀時の腕を離して顔を覗く
前髪で隠れた顔




「なに」





どうした?
銀時の頬を指で撫でて目元を親指で拭う
フワフワな髪に手を入れて前髪をかき分ければものっすごく無表情の銀時




「昔は泣いてたのにな」
「お前関係で泣くのは飽きた」
「っくく」




「俺との約束は覚えてるか」
「うん、センセーのこと守るって約束だろ?」
「ちげぇ、それを破ったために着けた約束だ」


「うん?死なない…だろ?」
「わかってんじゃねえか」




ゴンッと額を殴られ銀時が俺の両頬を両手で包む




「ねえ」
「あ?」
「破ってないじゃん、なに怒ってんの?」
「お前がいつまでも理解しないからです」
「あはっ」





銀時の赤い目がスッと俺の視界いっぱいに入りお凸にコツンッと体温が宿った




「ぎーーーー…いてっ!痛い痛いィイイ!」
「押さえつけてるからだよ」
「むごぉ!」





グリグリグリとおでこを擦り付けられ剥そうとした腕を押さえつけられる





チャキ






拳銃を構える音に起き上がり布団を出る
ドンッと放たれた銃は布団を破ると思ったら





「アレ?」
兄ィ」





布団には弾丸がない、可笑しいなと顔を上げると総悟がバズーカ片手に窓から上がってきた
破られた障子をポカンッと眺めれば兄、起きたってきいたでさァと頭をグリグリ撫でられた





「おーきたくーん…」
「なんでィ、旦那ァ」
「死にそうになったじゃねぇかあァアアア!!」






振り返ったら銀時がバズーカの餌食になってました
(おはよ、兄)
(お、おは…よ?)



もどる つぎに
一覧に戻る