「お願いします!」
「あー、そういうのやってないんだよねぇ」
「これで!お願いします!!」
積まれた札束
「オッケー、我が命に代えても」
「おいィイイイ!!」
そんな昼下がり
依頼内容を見て銀さんが顔を歪める
そりゃあこの人と付き合いたいから赤い糸結んで来いと言われちゃあ嫌でしょうがない
「というか、相手が相手ネ、兄が相手じゃなかったら良かったのに」
「本当、兄関係の依頼は最近、テレビに出てから増えましたからね」
写真は盗撮であろう兄の姿
写真からでも爽やかな姿が見れてやっぱりすごい人だな
「あ”−、もうこないだもフラれてんの見たのによ、胸糞ワリィなぁ!」
「銀さん、みっともないですよ」
「兄は私の兄ネ、触れたらバラバラにしてやる」
「(兄って恋人とかできなさそうだな)」
真選組の屯所の前まで来ると門番の人があ、万事屋じゃないかぁと話しかけてくる
兄のおかげで僕たちと真選組の間柄は柔らかくなったというのも違いない
「兄っていますか?」
「あー、兄は今、見回り中っすよ」
「無駄足だったネ」
「あ、でも今日は兄…テレビ取材だからあんまり近づけないと思うぜ」
「え?兄、テレビ出るんですか?」
「ギャラが凄く良いらしくてよ、真選組の経費の為に出てくれてんだよ」
優しいよなー
優しいですね
「優しすぎるぐらいだと思いますが…」
写真を見てため息を吐く
やっぱり真選組のお兄ちゃんだな…あの人
「何してるんでィ」
「あ、沖田さっ…」
ヒュンッと何かが横切り爆発の音がする
目の前に居た沖田さんが居なくなりカランッと瓦礫の音が響く
「ーー、……かっかっ神楽ちゃァアアアアん!?!?何攻撃してるのォオ!?」
「元気な奴らだな」
「銀さん!そういってる場合じゃないですよ!ああほら、喧嘩始まった」
沖田さんと神楽ちゃんの喧嘩が周りを巻き込んで始まる
銀さんが兄の写真を眺めてため息を出す
僕と同じことしてるし
「こーら」
突然、第三者の声が聞こえ喧嘩が静まる
煙が晴れ誰かに神楽ちゃんと沖田さんが脇に抱えられていた
「何してんの?チャンバラ?」
「兄」
「兄!!」
わぁ、嬉しそう…
パッと一瞬で顔を明るくした神楽ちゃんとびっくりした沖田さんの顔
2人を降ろしたさんががれきから降りてただいまぁと真選組の人に手を振った
「あれぇ?銀時、新八」
「ど、どうも」
兄が僕らに気付いて嬉しそうに笑う
そんな顔を見て安心して兄のところへ足を進めた
「にっ…「じゃあサン!次はどこに行かれますかァ?」
「んー?巡回?」
「ま、また巡回ですか?」
「んっ、そーだよ」
パトカーに乗った兄が去っていく
「えぇええ!?待ってくださいよォ!」
それに続けとテレビ陣が兄を追う
一連の流れを見て
「えっ、というか兄に近づけないんですけど」
「何アレ、スーパーアイドル?気取ってんの?俺と土俵一緒のはずなんだけどアイツ」
「仕方ないでさァ」
瓦礫から降りてきた沖田さんが去って行った車を見つめる
「なんだか知らねえけど、警察の好感度を上げるために上がそうしろってんでィ」
「え?じゃあ兄の特集というより、」
「ああ、兄が警察の好感度を上げるために頑張ってるだけでさァ」
「なにそれ、汚いにもほどがあるでしょう」
「…おかげで兄に近づけやしねェ」
「屯所に居ても、テレビの奴らが引っ付いて離れねぇ」
低い声が聞こえ、ジュッと煙草を揉み消す音
「アイツに話かけようもならあいつ等に押しのけられるくらいだ」
「…兄は気付いてるぜ、土方さん」
「ーーー、ああ」
「え?何が、何がですか?」
2人が屯所に戻るのを追いかけると銀さんが僕の肩を掴んだ
「やめとけ、新八ィーこいつらに関わるとロクなことねえよ」
「でも、銀さん!」
「いいのかァ?万事屋…」
土方さんが煙草を着け銀さんに向く
「お前の大事なオニーチャン、上に捕られるぜ?」
「ーーー」
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