「さん!次は何処に行くんですか?」
「んー、巡回」
「え?また巡回ですか?」
「うん、巡回」
「え、もう今日だけで20回くらいこの景色見てる気がするんですが」
「でも、何回も回らないとみんなのこと守れないですよ?」
「…」
「ね?」
「ーーーそうですよね!ほら!!カメラァ!早くして!!」
「ーーーー」
どうしたらこの面剥せるかなあ
目の前でテレビ取材だと、上からの命令だと言う子たちを見る
何が目的なのかは一目瞭然
「いつ、屯所内の撮影をさしてくれるのかしら?」
「昨日したじゃないですか」
「え、でもアレ屯所というかさんの部屋というか」
「不満ですか?"俺の"密着取材…ですよね?ソレ」
「え、ええ…しかし、一応さんの働いている場所もとりたいなぁなんて」
「あ、じゃあ屯所案内とか欲しかったですか?」
「えっええ!!是非!」
「うん、じゃあ行こうか」
だーれが、屯所に入らせるかよ
バァカ
「」
「あれ、銀時」
厠を理由に逃げてきたはずなんだけどな
見えてた?
「何してんだお前…」
「んー?上がテレビ取材と称して屯所内探ってるのが気に入らないだけ」
「いつまで逃げる気だ」
「さあ」
銀時に振り返ればはぁとまた息を吐かれた
「銀時こそ、なに?用事?」
「忙しそうだからいい」
「銀時の用事以上に大事な用事なんてないよ」
「…こっぱずかしいこと言ってんじゃねェ!」
「ホントのことじゃん」
「!?」
ぴしっと固まった銀時
銀時の横に立ち、持っている紙をひったくる
「俺の写真?」
「あ"!!テメェ!!」
「やだ、銀時…こんなんじゃなくてもっといい写真あげるよー」
「いっらねえよ!!」
「で?今度は何。俺何本赤い糸つければいいの」
「…」
「俺の右手の薬指は予約いっぱいなの」
「あァ?」
「昔から」
小さい銀時を死屍累々の中から引っ張り上げ
師匠の背中で唖然としてた彼に手を差し伸べたら薬指を捕まえられ
うるりと視界をゆがませたことを思い出す
小さい子にしては強い力で握られたその手
ーーー これからはお前のニーチャンは俺、家族は俺ら
ーーー 、またそんなこと言って
ーーー 師匠、いいでしょ?
「バカじゃねえの、んなちいせえころのことなんて覚えてるかっつの」
「っふふ」
じゃあバイバイと写真を奪って銀時から離れる
外に出ればテレビ陣の人たちが消えていて
「あれ?」
「どこ行ってたんでさァ」
「そうご」
「厠長すぎだろ、お前」
「トシ」
「、お前見回り行き過ぎ!!ガソリン代もったいないでしょ!!」
「近藤さん」
あ、あれ?テレビの人たちは?
いない
い、いない?
バレバレでさァ、あんなんが上からの命令でもなんでもないただの攘夷志士のテロってことくらい
「あらまあ」
「とっつぁんに確認したらをテレビに出させたのはこの間の特集ポッキリだとよ」
「っち、あのクッソジジィ」
「丸聞こえですぜ誄兄」
「帰るぞ」
「いい加減に一人で解決するのはやめろよ?」
近藤さんに頭をなでられそのまま肩をガシッと掴まれ
引きずられる
「いでっ、…ッこ、こんどーさっ指、指食い込んでる!!」
総悟が俺の目の前に立つ
ジッと俺を見た後、踵を返す
「拾ったものは最期まで面倒見るのが俺の主義でさァ」
「そーご」
「いくらがテロリストの餌食に一人でなろうたってムダですぜ」
「なんだー、一人で解決してかっこよく決めたかったのになあ」
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