「兄って、なんで真選組にいんだろーな」
「警察っつーか、交番のお巡りさんって感じだよな」
「確かに、兄がここに居んの違和感の塊っつーか」
ゴスッ
「ぎゃぁあああ、あんちゃぁあああん!」
「兄がなんで真選組に入ったかなんて話すコトでもないさァ」
「こら、そーご、部下苛めないの」
「やだでィ」
「お、沖田さん…兄…」
「よぉ、まんじゅう買ってきたぞー」
「…」
部下は、やっぱり謎だ…と小さく心の中で呟いた
「兄、勝負しようぜ。真剣で」
「いやっス」
「じゃあ銃?」
「普通に木刀にしようよー」
兄が縁側に座り、お茶を啜る
「皆勘違いしてるよなあ、俺が一番真選組の中できたねーのに」
「間違いねェ」
「っふふ、拾ってくれたのは総悟だもんな」
「ギャァアア!?!?」
「えっ」
兄がすぐに立ち上がり声の方へ走る
何事かと後から追ってみてみればそこには複数倒れている隊士
「兄、こんな沢山を一瞬で…尊敬するさァ」
「やってないからな、…総悟…布団を持ってきてくれ」
「はぁい」
兄に頼まれて布団を持ってこさせれば途中であった近藤さんに経緯を話す
慌てて近藤さんが道場へ向かう
「大丈夫か?水いるか?」
「兄…、手…手ェ握っゴフゥゥッッ」
「おっわ、総悟!病人になにしてんの」
あぶないだろー?と兄が笑う
木刀を離して兄の腕を掴み外に出る
「感染病だったら危ないでィ」
「俺にうつして治るんだったら万々歳なんだけどな」
「アホかィあんた」
「つか仕事になんないよな」
「いつもそんなまともな仕事してないから大丈夫でさァ」
「こら、近藤さんが泣くだろ」
机に4人分のお茶を置いて縁側に座る
隣に近藤さんが座り、はいお茶と渡せば少し涙ぐまれた
「みんなうわごとのように着物を着た女と言っているんですが
稲山さんが離した怪談のアレかな?」
「バカヤロー幽霊なんざいてたまるか」
「霊を甘く見たらとんでもないことになるぞ トシ。この屋敷は呪われてるんだ
きっととんでもない霊に取りつかれているんだよ」
「…なーにをバカな……」
思い馳せるようにトシがナイナイと呟く
局長!と横から聞こえ退ーと手を振れば兄も居たんですねっと笑ってくれた
「オウ、山崎ーご苦労!」
「連れてきましたよー、街で探したんすから、拝み屋」
「どうも」
「あれ、銀―もぐわぁっ!」
「おにーさん、憑いてますよ、世話焼きの幽霊がこびり付いてますよォ」
「(内緒にしといてください!兄)」
「(あー、はいはい)」
解放された俺は総悟の横に座り煎餅を食べる
平和だなあとぼやけば総悟に笑われた
「ざっと屋敷を見させてもらいましたがね」
「こりゃ相当強力な霊の波動を感じますなゴリラ」
「あ 今確実にゴリラって言ったよね」
「まァ、とりあえず除霊してみますかねこりゃ料金も相当高くなるゴリよ」
「オイオイ、なんか口癖みたいになってるぞ」
「して、霊はいかようなものゴリか?」
「うつった!」
「そーご、ノリノリだなあ」
今日は暇しなさそうだな、と笑えば兄一大事でさァ、一応と服を引っ張られた
「えーと、工場長」
そういえばスパーンッと銀時が神楽を叩く
こりゃあもうダメだ、ばれるなあと席を立つ
「本当に幽霊だったら面白いんだけどな」
床を覗き、天井に上り
誰も居ない…
「ふーむ」
「ぎゃぁああああああ”!!」
「こっ、こんどーさんの声!」
急いで声の方に飛んでいけば
トイレについて、ドンッと扉を強引に開く音
「なんで、そーなるの?」
変装を解いた3人と総悟、トシが唖然と
便器に顔をつっこんだ近藤さんを見ていた
「ーー、」
ブーンと夏に聞きたくない音が耳を掠めた
「う、あ、あ赤い着物の女が……う、う、……来る、こっちに来るよォうぐっ」
「兄、兄ー暇アルー」
「じゃあ、赤い着物の女…探してみないか?」
「怖いアルよー、私、怖いアルー」
可愛らしい妹を撫でる
「…やっぱり幽霊ですか」
「あ〜?俺ァなァ幽霊なんて非科学的なモンは断固信じねェムー大陸はあると信じてるがな」
そう言いながら銀時は俺の頭をグリグリと撫でる
そのまま俺の頭を土台に立ち上がる
「アホらし、付き合いきれねーやオイ、てめーら帰るぞ」
そういって俺の手を繋いでひっぱりあげる銀時
え?何?どうした、汗まみれた手だな
「銀ちゃん手ェ汗ばんでて気持ち悪いアル」
「銀時ー、俺の家はお前と一緒じゃないかもー」
「あ、赤い着物の女!!」
ガシャァアアアアンッ!
ガタァァッッ!
2つの大きな音が響き
銀時の手が離れる、そのまま視線をずらせばトシがツボに頭を突っ込んでいた
総悟と目を合わせてきょとん
神楽ちゃんを見てキョトン
「…大丈夫?」
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