「こ、こんばんわー」
「はい、こんばんわ」



幽霊が襖の隙間からこんばんわしてきました
挨拶をする俺をグンッと総悟を引っ張る



「うぉおおおおおおおおおお!!」
「ッッ、トシ!銀時!」


叫んだ2人の安否が気になり振り返ろうとするのを
新八がまた腕を引いてそれを許してくれない



「いやいやダメですって兄…、行きますよ!!」
「いやアル、兄があの糖尿病とマヨネーズと一緒に死ぬのは見たくないアル!」

「え、ちょ。あの2人殺されてるの?」
「次期副長はオレでさァ」
「トシぃいいい!」


「「ダメ!!」」




総悟と神楽に引っ張られ倉庫に隠れる
灯り灯り、と総悟が蚊取り線香を取り出す




「なんだよアレ〜なんであんなんいるんだよ」
「新八、銀ちゃん死んじゃったアルか?ねェ」


「実は前に土方さんを亡き者にするために外法で妖魔を呼び出そうとしたことがあったんでィ
 ありゃあもしかしたらそん時の…」
「あんたどれだけ腹の中真っ黒なんですか!?」


「いや、待てよ…赤い着物…、こないだ心中しようとしてたあの女子か?」
「お前もかィぃいいいい!!」
兄、また人助けしたアルか!?私以外の女に触ったアルか!?」

「え?」
「いいよ!もう!!兄が召喚した妖魔か沖田さんが助けた女子ってことでしょぉお!?」
「新八、逆だよ。逆」




「己ぇええ!お前が原因あるかぁああ!!」
「あー、狭いから暴れんなって…ほら、神楽」





興奮する神楽を腕の中に収める
はぁ、と息を吐いて扉を見る



「あ」
「え?どうしたんですかに…でっででで出すペトラァアアア!!」
「落ち着けしんぱっ」
「てめーらも謝れバカヤロー!!人間心から頭下げればどんな奴にも心通じるんだバカヤロー!!」

「うおっ」




新八押さえつけられ両手で地面に手をつく
その際に神楽が頭を打ち気を失ってしまった



「あ、かっ神楽ごめっ!」
「あのォ!ホント!くつの裏も舐めるんでェ!!勘弁してよォまじでェ!!!」
「ちょ、しんぱっ…!」



「あ、あれ?」
「ん?」
「い、いない」


「まじ?ちょっ、」
「!?兄どこ行くんですかァ!?」
「ごめん、厠!」




なんでだ、追っかけてきてまで執着してたのに
ふとさっき視界に入ったのは総悟の蚊取り線香


昼間のあの音
貧血で倒れていた隊士





「あ、あれ?幽霊じゃなくね?コレ、え?俺そっちの世界いっちゃった感じ?大串くんと?」
「銀時ー」
「え、あれ。の声聞こえてきた、まあ最期に逢いたい奴ならくらいしかいねーし、うんウン」
「え?ほんと、うれしーこと言うじゃん」
「まあな、将来の嫁だ…し…っ、え?」
「やっぱ天人だったかあ」




ポカンッとしてる銀時の背中を叩いて運ぶの手伝ってと言う
ホント、順応力高いですねと言われて笑ってやった





「一応、お巡りさんですから」
「っはは」







お巡りさん、お化けが怖いんです
(兄の怖いものはなんですか)




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