ーーー 晋助ェ!みんなぁああ!
あの戦争で大事なものが切れた
繋がってた糸が一本一本見知らぬ宇宙人に切られていく
ーーーー おれの、だいじな
家族が消えていく
「はい、兄」
「んぶっ、おっあまーい」
ポカンと開けていた口にアイスキャンディーが放り込まれ
総悟の手が離れる
「アイスでさァ、随分と分厚い資料ですねェ」
「明日出張するから…その飛行船のチケット確認」
「兄、明日から居ないっつーことですか」
「うん、でも明後日には帰るから」
「ふーん」
廊下を歩いていると
ある障子の前で群がる隊士たち
「ん?アイツ等何してんだ」
「んー?ホントだ、皆たのしそーだな!なにしてんの?」
「兄!」
「にー、今…星海坊主が来てるんです!」
「うみぼーず?」
「あぁ、第一級危険生物を追って駆除するおっさんか」
「、知ってるんですかィ?」
「おう、一戦交えたこともあるぞ」
「兄にですか!?」
「うわぁ、化け物だ…」
「興味ない」
「総悟、…あ、一緒にテレビみよー?」
「一緒に床につくのもありでさァ」
「んー?眠い?」
「兄のひざまくら」
「ハイハイ、耳かみのオプション付きな」
総悟を膝に乗せテレビをつける
『被害が出る前になんとしても食い止めるんだ!!!』
『パンダだ、パンダダじゃないぞ!パンダだだ!』
「「ーーーー…」」
テレビの端に見えたのは
「かっ、」
「…」
神楽ぁあああ!?!?
***
キキィイイイイ!!
大きくカーブをしてハンドルを切る
「兄、運転が荒いでさァ」
「ごっごめん、焦ってんだ!」
「あのチャイナ娘ごときに…」
銀行の前に車を止めて外に出る
「ごめん!真選組だよ!どいてくれる?」
「あ、兄!」
「新八…銀時!神楽が!」
「あー、やっちまったよあの娘」
「え」
「本当どうしましょう兄!!いやこの人警察だ…違うんです!神楽ちゃんが銀行強盗なんて!」
「おいおい、泣くなって新八…どうした?」
新八の頬を撫でて胸に倒れてくるのを立たせる
銀時がずっとあーやっちまったと嘆いているのは無視
「おしっ」
「銀時?」
「俺が止めるしかねえんだ…、あんなん俺が止めるしか…
けど、」
「俺も、無理でも止めてあげるから(話食い違ってるけど)」
「ぎん、銀さん、兄ィイイイ!僕も行きます!!」
「神楽ちゃん!」
「神楽ァ!!その辺に!」
「神楽、無事か…!」
3人でなだれ込むように入り2人が固まる
やっぱりと坊主に食われそうになっている神楽を腕の中に閉じ込める
「「間違えました」」
2人がそう言って閉まるドア
「え!?ちょ、二人とも!?」
そとからギャァアアア!化け物ォオオ!とさながらSF映画のようで気持ち悪い
坊主が口から触手のようなものが飛び出してそれが自由動き回り
「兄!」
「神楽、あぶねえから下がっッ…ぐァぁあ!」
速い…
貫かれた肩が燃えるように熱い
「兄ィ!兄に何するネ!」
「バッ、神楽…!」
飛び出そうとする神楽をひきよせ抱きしめた瞬間
俺と神楽に触手がまとわりつく
「き、」
キモイ!
全力で足でもがくも叶わないのが一番怖い
ガーッと自動扉が開く音がして神楽が誰かを掴む
助かった…!!
「銀ちゃぁ〜ん、酷いヨ、なんで助けてくれないネ」
「ぎゃっぎゃぁあああああああああああああああ!」
「なにしてんのォ!お前!!なんかいっぱいついてるけどォ!親父さんの内臓的な何かがぁ!!」
「私、銀ちゃんのためにいっぱい振り米したヨ、神父の件はどうなった?片着いた?」
「何それェ!お前どんな騙され方してんのォ!?」
「銀時ー助けてー」
「ッぎゃあああ!!お前はもう食われてんじゃねえか!!なにそれ!ペットォ!?」
「ワニは流石にかわねーよ」
逃げよとした銀時の足を神楽が掴み全員道連れだアルと唾を吐く
神楽ー!なにしてんのー!はなしなさーい!!
「お、いたいた」
さっき聞こえていた話声の主が入店してきて傘を振るい
大きな地響きがして自分たちから触手が離れていく
「探したぞ、神楽」
腕の中に居た神楽がハッと振り返り
「ぱ、ぱぴー?」
「え」
「え」
「へっ?」
(え?)
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