「世の中怖くなったもんだな」
「動かないでくださいね、兄」
「うん、ありがと」



手当をしてくれてる隊士の向こう側でさっきのえいりあんが引きずり出される
丁重に運び入国管理局に引き渡し



「(燃やしちゃえばいいのに)」
兄は完治が早いのはわかりますが気を付けてくださいね」
「おう」



隊士が去っていきエイリアンの方に近づけば
総悟が俺の腕を持って近づかない方がいいでさァと言う




「嫌な予感がしてね、今のうち弱点でも探しておこうと」
「そう簡単に見つかるとは思えないでさァ」



「あの、星海坊主がやってくれたのに、飼うんだよな」
「…」



無言になった総悟を一目して空を見上げ
あー、明日の出張準備してねぇなあ
とぼやいた






「ハンカチは?」
「持った」
「マヨネーズは」
「10本入ってるよ」
「手錠は持ちました?」

「俺、勉強しに行くだけだよ、総悟」




送ってくれた3人に手を振ってステーションに潜る
皆には警察の集団会議だと言ったら、アレ俺呼ばれてないと近藤さんに涙ぐまれてしまった

そりゃあそうだ、腹の探り合いはあの人に向いてないから俺に来るように仕向けただけ





「ほんっと、近藤さんは優しいから」





広い船舶を歩き席番を確認しながら進めば
見知った少女がポツリと下を向いていた



「神楽?」
、にぃ」
「どうした…、なんでお前こんなとこに居んだ」




幸運なのか神楽の座席の廊下を挟んだ隣に座り
神楽を見るがボケッと下を向いてしまう



「?」




"転送中に機体が揺れることがございます
 シートベルトをしっかり腰に巻き、ランプが消えるまで座席をお立ちにならないようにお願い申し上げます"




神楽の様子がおかしい
立ち上がり神楽の横に移動し、神楽…?と名前を呼ぶ





「どーした?」
「…なんでここにいるネ」

「出張だよ」
「…会いたくないアル」
「ん?」





神楽の頭を優しく撫で柔らかい髪を確かめる
ゆったりと窓を見た神楽



「あー、酷い目にあった、聞いてくれよ神楽ちゃ……ってあんた」
「ーーーあれ?星海坊主殿」



きょとんと顔を傾げた彼に俺も首を傾げる

星海坊主さん?なんで神楽と一緒に居るんですか?
いや、真選組の方こそ…うちの娘とお知り合いで?


えっ
えっ




「おい、アレなんだ?」
「?」
「アレ、人だ!!」
「あんなところに人がいるぞ!!」




事件か?
神楽ちゃんの上から窓の外を覗けば見知った少年





「ッ新八!?」
「神楽ちゃーん!!どこ行くんだァア!!」

「!」
「え」



「僕ら三人で万事屋だろォ!!バカに何言われたかしらないけど、あんなのの
 言うこときかなくていいって!!給料もロクに払わないんだから!
 僕一人じゃあのバカは手におえないよ!!!」

「…あの野郎、なんてバカなマネ…」



新八、あんな危ないところで何を
神楽から離れて新八のところへ向かおうとすれば

神楽の細い手が俺の袖掴んでいた




「ーーー…ち」
「神楽?」
「しん、」


震えながら涙を流し
口を開いた神楽


「ーー…」
「新八ィ!新ぱっ…」
「神楽!!離れろ!」



視界に掠めた得体のしれないモノ
神楽の前に立ちふさがった瞬間ガラスが割れそのナニカが入り込んでくる



「星海坊主殿!」
「ああ…こいつァ」





エイリアンじゃないですか
(出張いけねぇ)


もどる つぎに
一覧に戻る