「ほわちゃァアア!!」
「神楽、左だ!」
「ッ、兄ィ!!上!」
「…クソッ…キリが…ない!!」
触手を蹴り飛ばし銃口を上に向ける弾丸を放ち
刀を右手に携え、ソレを一気に振り下ろす
"ギャァアア!"
「ーーー、化け物」
「兄…!」
神楽が俺の腕を引っ張り上げ船舶の先に降りる
銃を止めることなく神楽の援護
「ッ、ぁ!」
「神楽!!」
触手に引かれ体制を崩した神楽の触手を切り裂き
それでも襲ってくる触手に刀を飛ばし刺す
「にぃいいい!」
悲鳴のように出された声にビクリと肩を揺らし振り返ろうとした刹那、
ひゅっ、と何かが横切り首に何かが巻きつく
「ッッ」
「兄を離すネ!」
「神楽!逃げろ…!!」
「ッ兄、駄目アル」
ギュッと目を瞑り息を整え、パッと目をあける
銃口を相手の根元に向け引き金を引く
ダンッ!!
触手がヒュッと驚いたのか引いていく感覚に開いている方で触手のそれを掴み
引き剥がして神楽の横に降り立つ
「ッくはぁ」
「に、無事?」
「うん、平気」
「きゃぁああ!」
「助けてくれェ!」
また違う声に振り返れば見覚えのある皇子
ウソだろおい
「な、なにしてんですか!ばっハタ皇子殿!!」
「今、バカっていいかけただろ!」
「こっちに来るアル!」
「かっ、神楽!!」
よそ見をした神楽の脇腹を触手が貫き
落ちてくる神楽を受け止める
「神楽…大丈夫?」
「だい、じょーぶアル」
「っち」
「おおぉ!真選組のモノではないか…!どこへ連れてゆく…!」
「ちょっとお静かにしていてください」
神楽たちを船の端に寄せて刀を抜く
拳銃の残り…弾倉の中身は何もない
使えないな、と投げ飛ばし地に蹴った
「ふざけやがって」
一本
また一本と触手を斬り原水を探る
「ぎゃぁああ!」
「もうダメぇええ!」
「ーーくそ」
皇子殿の声にそちらへ急ぐと神楽を連れてこうとする触手
それにスライディングをして入り込めばグンッと勢いよく触手に体を捕まえられた
意識のある神楽が目を見開いてオレに手を伸ばすのが見え、
刀を持ち替え触手に刺すがそれも意味がない
「っちく、しょ…アァ!!」
締め付けられた体
もがけばもがくほど力が強くなる
「神楽!逃げろ!!その皇子殿を連れて!!」
「い、嫌アル!!兄!!」
「ッ、ぐぁ」
またいっそうに力を籠められ意識が白けていく
最後に持ち上げられた時見えたのは真っ黒な集団
(ッチ、あの馬鹿)
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