「神楽ぁ、新八ー!銀時つれてかえってきたぞー」
「おーう!帰ったぞー。銀さんが、帰ってきたよーっとあー気持ち悪」
「あー、いちご牛乳飲みたい、風呂入りたい」

「風呂入れてきてやるから、神楽ー悪いけどいちご牛乳…」




ガラリと居間を開けると巨大な定春が視界を埋める
銀時と唖然にその光景を眺める



「う、うわぁああ!?神楽!新八ぃ!」




驚いたのは2人が半分食べられかけていること
銀時を突き落とし定春ダメだよ!と口を開けさせた




「…ってぇな、…急に離すな…ってなんだやっぱ飲みすぎたな
 やたら定春がでかく見えるぞ、まァいいやオイ新八、そんなところに頭つっこんでないで
 いちご牛乳もってこい、も風呂」


銀時ってやっぱアホだな
肘鉄をくらわせて定春を口をムリくり開けば
怒った2人が現れた



「何、寝ぼけたこと言ってんすかァア!!この状況を見ろォ!」
「定春が、定春が一夜にして巨大化したネ!」


「うるせーな、でかい声出すんじゃねえよ頭痛いんだから
 男と犬はなァ、2,3日目ェ話すと別人のように大きくなってるもんなんだよ」
「アンタは何日たってもずっと平行線でダメ人間だけとな!!」



「なにををををを!!いだだだだ頭痛ェエエ!」
「何してん銀時!」




2人を引っ張り出し背中に隠す
兄!と安堵した2人の声に傷を見て、安否を確かめる




「しかし、なんでこんなでかくなったんだ?」
「わからないヨ…お、新八ィそのいちご牛乳定春にあげるネ!」
「えっ、いいのかな、まあいいか」



銀時の隣に座り定春の様子を見る
空になりかけたいちご牛乳のパックを揺らして項垂れている




「成長期なんじゃねーの、もともとがあのデカさだ、これ位になるだろ」
「一夜にしてかあ?」
「だから、お前らが無暗にカルシウムなんかとらせるからこんなデカくなんだよ
 カルシウム舐めんなよカルシウムさえとっときゃすべえうまくいくんだよ」

「あんた、全然うまくいってないじゃないですか…それよりどうしましょう、これじゃあ象買ってるようなもんですよ餌代が」



「餌代なんてもともとバカになってなかったアルヨ、万が億になろうが、億が兆になろうが一緒ネ」
「一緒じゃねえよ!!一兆は一億がなんぼあるとおもってんだ、テメェは!!…あれ、何個だっけ…」
「んー、10個」



適当に答えて落ち込む新八と銀時を放置して定春をなでる



「なんででかくなったんだろーなあ、成長期にしては早いっつーか」



なんだろうなあ?
くうん?



「たりららったら〜」



銀時の懐から秘密道具、飲み屋の親父さんに枝豆と交換してもらった犬の言葉がわかる機械



「胡散臭さ100%じゃねえかァアアアア!」
「とにかく、こいつで定春がなんで巨大化したか探り出せば解決策が見つかるかもしれねー


  なァ、定春?お前はどうしてそんなにデカくなったんだ」



「…」
「…」
「―――…?」
「…」
「…オイなんか言え」



ペチッと定春の頬を銀時が弾く



「わぎゃん!!」
「ぶべらァ!!」
「銀時ィ!!」




返されるように殴られた銀時を支えその機械を神楽と新八と覗けば
"いてーな動物愛護団体に訴えるぞワン"



「あってるっちゃある」
「そうですね」
「定春ってばお茶目だな」




「この野郎ォオ!ご主人様に何しやがんだァ!!」
「銀ちゃん、定春の世話したことないから」
「銀さん、でもコレ結構使えるかもしれませんよ」




「フフン、次は私がやるネ、私は定春いつも可愛がってるアルからきっと大丈夫ネ」
「おおー」


神楽が機械を奪いせせら笑う


「定春、とりあえず私へお日頃の感謝を言ってみるアル」
「わん」



ピピッと音が鳴り3人でまた覗く




"お前、人気投票七位だったな"



「おちついて神楽ちゃん!!僕なんか8位だぞ!!」
「てめぇええ!なんでそんなことしってんだァ!!」

「なんだかんだで定春の世話を一番してたのはぼくだもんね
 ねっ、定春僕の言うことは聞いてくれるよね」
「わんっ」




ピピピーピッ



"お前という男を常日頃観察し、感じたことを述べる誰gアボケてもツッコむ姿勢は評価に値するが
ツッコミに夢中になっているせいで自分の特性を忘れる傾向がある…
 といってもお前の特性なんてアイドルオタク以外ないがな
 哀れな奴だ"




「黒ォオ!!こんなに白い犬なのに腹の中真っ黒!!っていうか長げーよ!あの一吠えにこんな黒い意味あんの!?」





怒りだした三人が機械を踏みつける
その機械が蹴られ俺の足もとにスライドしてきた



ピピッ



"く、苦しい"
「ん?」
「苦しい?」
「故障かな」
「俺は二日酔いで苦しいよ」




"助けて"




ピッとなった直後背後の気配が濃くなる
振り返れば定春が巨大化して屋根を突き抜けていた


落ちてくる木材を避けて銀時の背中に移動して様子をうかがう




「えっ、定春?」
「おいおいおい…まだ家賃払ってないんだぞーマジカァ」




万事屋滞在中です
(あれ、はいないのか?トシ)
(あぁ?見廻り行ってから見てねえよ)
(あれ?見廻りの奴等帰ってきてますぜェ)

((…))








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