「定春!本当落ち着けって、どうしたんだ」
「ギャウン!」
「わかった、なんでもあげるから」



「!銀ちゃ…!!!」
「え、銀時?」



神楽がドームの上に降り定春のしっぽを引っ張る
俺もそろそろと降りようとしたところで銀時の出現





「うがぁあああああ!!」

「あっ、定春ゥウウ!!」
「ひぅっ!さだっ…!」



急に暴れだした定春に俺はさっきの総悟と同じ位置でしがみついたまま定春に拉致られる




「ひゃぁあ!銀時たすけて!」
!?」




目を見開いて銀時がつるりと手を離した俺を受け止める
同時に定春が一鉄をかまし、地面が凹む





「ぎんとき、こわかった…」





柄にもなく破顔させれば新八が兄大丈夫ですか!?と駆け寄ってくる
足がガタガタな俺は立ってられるその場に転げる




「がうっ!」
「ッ」




定春が俺にとびかかりそれを新八が落とした竹刀で受け止める
ガリィッ!と竹刀をかみ切る音に流石だなあと思ってしまう



ガゴンッ!!




銀時が俺の目の前に立ちふさがり




「定春ゥ!!」
「ッ、銀時!怪我させちゃ「ッ」




銀時が定春の手に弾き飛ばされ地面に伏せる
それに追い打ちをかけるように定春が襲い掛かるのを銀時が避ける


「だぁああ!あぶねええ!」
「銀時!!!定春だめ!」




木刀を受け取り定春の牙を押さえつける




「定春!!!俺も飼い主がいるからわかる、ご主人のゆうこと聞かないとお仕置き怖いからな!!」
「ガウ!」
「因みに俺を拾った主人は怖いぞ?」




バリッと音が鳴り木刀の砕ける感覚
自分の第二の主人を思い出して笑う




「定春」
「〜〜〜がう!!」




牙を剥かれ木刀が粉砕する
パラパラと砕けた木刀の木屑の合間から見える定春の目と合う



兄ィ!」


グンッと新八に腕を引かれ定春の反対方向へと走る




「あッ、あの二人忘れてきた!」
「百音!」





なんだか巫女姿の女性が俺の隣を走る




「し、真選組!!」
「ど、どうも」





「うわあああ!何アレ気持ち悪ゥウウ!!なんか別の生き物!?」





新八の叫びに振り返ればもう1人巫女姿の女性が銀時とポッキーゲームしてた




「んう?合コン?」
「ピィイイイイ!!」

「うるさっ!」




定春から逃げる2人から逃げるように俺らが走る
ドームの入り口に差し掛かったところで




「おーい、歯ァ食いしばれ…ッッわたぁァアアア!!」




バキィッ!!
銀時と巫女さんのポッキー(笛的な何か)を真っ二つに折る





「とれたァアア!!」
「う"ぇっ!」
「銀時ぃイイイイ!!!」




銀時の肩を持ち上げガタガタと揺さぶる





「歯ァとれたぁああ!!てめぇが歯ァくいしばれっつうからとれたァアア!!」
「気にするなアル、また生えるヨ、ねっ兄!」
「お、おう」

「お前自信ねえのに言うなよ!!」
「ーーご、ごめん」




ガウッ!!と定春の声が聞こえ、銀時を引いて走る
ドーム内にはいりドタバタと逃げるも、意味ないだろう





「ーーーー」





急ブレーキをかけ、刀を鞘に入れたまま定春の牙を押さえる




「ッ」

!!」
「「兄!!」」

「百音、今しかないわ!!かくなる上は狛子を覚醒させて対抗させるしかないわ!!」
「ピー」
「真選組さん!少し耐えてね!!」
「ああ」





グッと力を入れ、定春と焦点を合わせる



「定春、おすわりだ」
「ガウッ!!!」



前方から何かの呪術が聞こえ
光りが包む



定春より幾分か小さな犬が俺の肩に乗り吠える
パキンッ!!と薄い壁が張られガンッ!!と定春が壁を叩きつける




「ッ!」
「ワンッ!!」



「私に考えがあるの…!急いで球場に来て!!」
兄…!」
「ーー、俺はここでコイツと残る」

兄…!」
「飼い主の言うことは聞くべきだってこと、教えてあげるんだ」
「…行くぞ」
「銀さん、いいんですか!?」


「アイツに何言ったってしょうがねえよ、頑固なアホだからな」
「ああ、流石銀時」



だから先行ってて、
なるべく柔らかく笑えば肩に乗った犬もわんっ!と元気よく吠えた






犬は飼い主の言うことを従順に聞きます
(定春と俺はそっくりなんだよ)





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