「あ、さん」
「あれ、ヘドロさん!」
「見廻りでしたか」
「ええ、ヘドロさんは?」
「今日は定休日なので、映画に行ってきました」
「へえ、良いですねえ」
ホント大きいなあとヘドロさんを見上げれば下を向いてしまう
「なんだか、こう良いですね」
「ん?」
「友人……と擦れ違えるの」
「そうっすねー、ヘドロさんってば中々外に出てこないから、擦れ違わないですものね」
「ッ、そ、そうじゃなくて」
「あ、ヘドロさん」
ヘドロさんの腕を握り顔を覗く
「ッッッッ!」
「あ、やっぱ口元」
ポップコーンの粕ついてますよー
!?
そういうや否や顔を真っ赤にしたヘドロさんがバッと後ろを向く
「はっ恥ずかしい…ッッッ」
「届かなくてすみません、えっとここですここ!」
自分の口元をトントンッと叩く
ヘドロさんが勢いよく自分の頬を殴らんばかりの勢いに拭き取る
ゴッ!
「へ、へどろさっ…!!」
痛そう!今思いっきり自分で自分殴ってた!!
「大丈夫?」
「大丈夫です…ありがとうございます、じゃ、じゃあ私はこのあたりで…」
「うん、またね、へどろさん」
「はい、また…!あ、またお花買いに来てください」
「はいッ!」
「あと、コレ」
「サボテン?」
「ええ、ぜっ是非育ててあげてください」
「わあ、ありがとう!」
サボテンを受け取って
ヘドロさんとばいばいする
「お、おのれぇえええ!土方と白髪頭めェエエ!!必ず仕留めてやる…!!」
「んー?」
劇場から出てきた彼がそう言い、気絶した仲間らしき人間を引きずっていく
「土方?白髪?」
不審に思って跡をつければ彼の視線の先にはトシが居た
なんだか銭湯の前でうんうん悩んでいるのを見つめる彼
「(誰か呼んでおこうかな)」
俺が跡付けても気付かない程度の奴だ
格下の奴だきっと
トシなら無意識に退治できそうだけど、うんまあつけよう
温泉に入りトシの後に続いてそいつも入る
俺もソイツに続いて風呂に入る
「広い風呂場だなー」
こういうところは来たことがない
行こうと思っても、気付いた隊士が俺を引き留め総悟が俺の腰から離れて行けないし
「腰にタオルつけんのかあ」
風呂に入って見える位置に移動して様子を伺えば
サウナ室とかかれた扉をいそいそと施錠していた
「清掃中?」
あんな看板出して…っつーことはトシたちはあんなかに居るのか?
マズイのかな、でもサウナ室ってなにかわからないし、サウナってどういう意味だったかな
「ーーー」
そろそろ仕留めようかな
結っていた髪をおろして清掃中のそこに近づけば
ガシャァアアアアアアアアアアアアン
目の前に埃が舞い、何かが破壊される音
「ッチ、引き分けか」
「いや、オメーの方が早く出た」
「いやいや、オメーのが」
「あ」
「「あ"?」」
あの人気絶しちゃった
まあいいか、後でみんなに片させれば
「なっ、!?お前なんでここに!」
「つかなんつー恰好してんだお前ェ!!」
「あ、もしもし?総悟?」
『なんでィ』
「健康ランドに不逞浪士が居たから引き取り来て?」
『ちょうど近くにいるでさァ、すぐに行きますぜ』
「ん、ありがと」
電話を切って二人を見れば何故か鼻血を出して倒れている
「ええええええ!?大丈夫!?!」
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