「お!なんか前より見やすくなった!」
目の調子がすこぶる良くなってきた
これは自分で医務室まで行けるなと確信し歩みを進める
遠くはまだ見えないがこれもきっと時間の問題
というか緑とか見てれば問題ない気がしてきた
「(気持ちええなあ)」
「…こんにちわ」
「…ぎゃぁあああああああああああああああああああ!!」
突然自分の顔面に広がった顔に表情が固まる
なんで、どうして
そう思う前に忍びとか言う建前を吹っ飛ばすくらいの大声を出してしまった
「えー、」
そんなかわいらしい声どっから出しとんねん気持ち悪い!
そんな言葉は今は喋れない
なぜか強烈なにおいが充満する中
思い切りこの男、雑渡毘奈門に木の上に拉致られてしまった
さっき俺が叫んだ場所にはすでに駆けつけてくれた、伊作くんと留三郎がいて二人でやりとりをしてキョロキョロしてくれている
「(ここやー!!)」
「ここまで強烈な臭いだと、気配も感じとり難い…この戦法、戦でも使えると思う?」
「いや、戦やと獣臭さは役にたたへん、そないやったらやっぱ煙臭いほうが覿面やろ」
「なるほど、じゃあまあ暗殺には向いてるってことか」
「ああ、あと人を拉致る時とかな!!」
雑渡さんの腕を抜け枝に乗る
「なんで忍術学園におんねん」
「いや、こっちのセリフ、なんで俺の嫁が忍術学園にいるんだい?」
「なにサラリとド気色悪いセリフ吐いてもうてん。地獄に去らせ」
「で?なんで」
真ん前に包帯の男の顔が広がる
目しか見えないのに物凄い覇気
雑渡さんとは戦で知り合ったんやけど、この人がたまたま何十人との相手をしていたのを助太刀したのがきっかけや
「(しいひんとけばよかった)」
「、まだあの城主に追っかけられてるの」
「…まだって…」
「…いい加減あきらめたらいいのにね、タソガレ忍隊も流石に君には肩を持つよ」
「いらへんわボケェエエエ!!諸泉さんになんてゆうたらええねん!!またあの顔ですみませんなんて…!」
言われたら俺多分次こそあの人に土下座してコイツ(雑渡)が悪いんですから謝らんでくださいって地面にスリスリすると思う
あの人に迷惑かけられへんこれ基本!!
「ってばアイツには優しいよね、妬けるなあ」
「焼いたろか」
「そんなも好きだよ」
「すり寄るなあああ!!」
木の上でそんな会話が拡げられているとも知らず
下では物凄い騒ぎになっていた
「は組がさんを見つける…!」
「頼むから、迷惑をかけるのはヤメテ」
にも私にも…
そんなことを言う土井先生の予想は的中したのか
解放されたを発見したは組がきり丸を筆頭にに飛びつく姿が
探していた上級生の目にも飛び込んでくるのでした
「どこ行ってたんですか!さん!!!」
「俺のせいやないんやってぇ」
あの後の伊作くんはめちゃ怖かったです。おしまい
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