とまあ、寝て起きたらなおってましたー!なんて甘っちょろくは世の中できてへんかった
泣きそうな土井先生と難しい顔をした山田先生
それに加えて松千代先生は泣いている、なんでかしらへんけど恥ずかしすぎて泣いちゃってるんかな
安藤先生に関してはうるさくてかなわへんかったので俺が黙らせた(物理的に)
「そこでじゃ、…薬草をとってきてもらいたいのだが」
「ああ、かまわへんよ…」
「乱太郎と共に向かってくれ、あと護衛には庄左ヱ門と団臓…きり丸を付けよう」
「なんちゅう濃いメンバー選んではるんですか、庄左ヱ門と伊助にしてくれないですか」
「やだっ」
「(かわいくねえ!!)」
イラァッとしたのを抑え土井先生がお願いしますねー!と俺に言い去っていく
そうだよな、図体のでかくなってしもうたは組を抑えるんはどれだけの体力が必要かっちゅうことやんな
「主、その薬草はどこにあるのですか」
「裏裏裏裏山じゃ」
「…、」
***
裏裏裏裏山の山頂付近の崖の下にそれは咲いていた
最初4人は唖然と見ていたんやけど、庄左ヱ門が気合を入れてやっと下へ辿りついたんやけど
「ついた!」
「随分遠いとこにあるんだな」
「これは帰り大変そうだね」
「まー、地図あるし大丈夫だろ」
乱太郎、きり丸、庄左ヱ門、団臓が薬草の採取を始めるのを崖淵に座りながら見る
きり丸は完全目が銭になってる怖いなアイツの将来
「わあああっ!」
「「「乱太郎!」」」
あまり広くないその場所で乱太郎がバランスを崩して後退する
崖から落ちそうな背中を支えるとさんすみませんーと乱太郎が申し訳なさそうにバランスを整えた瞬間
パサッ
「っ!」
「「「「あぁあ!」」」」
乱太郎の懐から裏裏裏山までの地図が飛んでいく
思わずそれを掴もうとする庄左ヱ門にまたギョッとしてしまう
「おまっ!危ない!」
きっととったあとあの木の枝に着地すれば大丈夫とか考えてるやろうけど
今はこいつらは6年生の体系だ、
「えっわっ!!」
予想通りバキッと鳴った枝に驚いた庄左ヱ門を助けようと団臓が飛び出す
それに続けときり丸も飛び出すから
「ええい、もうどうにでもなれ!」
薬草を包むための大きな風呂敷を持ち乱太郎を担いで飛び降りる
叫び散らす3人に声をかけ手を繋がせて風呂敷を広げる
風を一身に受けた風呂敷に煽られそのまま下へ急降下していった
薬草が散らばるのを見てあー…また探しに来ななぁと一人ぼやいた
「「「「ぎゃぁあああああ!」」」」
「らっ、らんたろー首…くびしまっとる…」
絶叫したいのはこっちや
「木につっこむで」
「うわあああ、やだああああ!」
「大丈夫、木の葉が茂ってる木をさんが選んでくれてる」
「「庄ちゃんってば冷静ねー!!ぎゃぁああああああああああああ!!」」
ガサガサガサァアアア!!
上手く着地で来たのにホッとし近くに居た乱太郎の腕を引く
気絶したようで大丈夫か―と声をかければ庄左ヱ門ときり丸の2人しか意識はないようだ
「怪我は、あらへん?」
「ええ、団蔵はたんこぶできてますが、これさっき暴れて自滅したやつです」
「ともかく、ここがどこかわかへんし移動しなあかん…きり丸は団蔵をおぶって…庄左ヱ門は乱太郎をおぶってもらってええか?」
「わかりました」
「だんぞー、起きろー…銭とるぞー」
「きり丸…」
「…わかってますよぅ」
大きくなっても変わらへんなあ
土井先生の苦労が目に見えるようでため息を吐いた
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