俺らをジッと見つめる人間
そいつは物現気に呟いた
「大きくなっちゃったねえ」
「…」
「組頭…!に迷惑かけるのはやめてくださいよ!」
「え、なに呼び捨てなの、諸泉くん減給」
「!?」
「帰ってくれませんかね」
夜も明けてきたあたり
見通しもよくなった森林をいまだ大きいままの4人を連れて歩いていたら
突然のエンカウント
タソガレ隊に逢いました、
「さん…、逃げなくて大丈夫なんですか?」
「逃げたいけど逃げられへんよ。」
悔しいけど、
どついて一瞬の隙をついて走れば行けるかもしれへんな
いや、でも
「まあ、大体は盗み聞きでほぼ聞いてるから」
「なら別にわざわざ俺んとここんでもええやろ…つかなに学園に忍びこんどるんや」
「せっかく伝言伝えに来てあげたのにー」
「「…」」
諸泉くんと目を合わせ頷き合う
矢羽根が飛んできて
「(ごめんなさい、)」
「(ええんや)」
と言われたからもうなにも言い返せえへん
「俺らも居るの忘れてねえ?」
「どうも僕らのことを視界にいれませんね」
「だって、興味ないし」
「むかつくなぁ…足揃えて座ってるくせに」
「だよなぁ」
団蔵、きり丸の蔑む目がタソガレ隊に注がれる
雑渡さんが あー、そうみえちゃう〜?と砕けた様に喋りながら
懐からスッと元に戻せるというあの薬草を取り出す
「っ!そっそれ!!」
「せっかくとってきてあげたのにー」
「組頭、性格淀んでます」
「いい餌は使わないとねー、ッ」
「なんや」
「これ、欲しい?」
「〜〜〜〜ほし…い」
「ほしいほしい!」
「流石プロ忍者!」
「きり丸、団蔵……こういう人はタダではくれないよ」
「タダぁぁあ!?」
「庄ちゃんってば冷静ねぇ」
団蔵や、きり丸の声に庄左ヱ門の冷静な返答
苦笑いの乱太郎がそれに応え、どうしましょう…と俺を見る
「で?何が望みなん」
「」
「…」
「が望み」
「…」
「知ってるよ、キミの色としての顔は」
「そういうの矢羽根を介して言わないところが本当に好きじゃあありません」
「いいよ、きっとわかってないから」
で?どうするの?とそこは矢羽根で聞かれため息が出る
この人本当に性格が悪い
「この子たちを学園に届けた後でええでしょうか?」
「まあいいよ、私たちも行くけどね」
「え"っ、まだに迷惑かけるんですか」
「諸泉君は先行って、忍術学園の誰かとでも戦っていればいい」
「なんでそうなるんですか!!」
ムッと怒りつつもすぐに気配が消えた諸泉くん
こんな上司だったら俺は舌を切るだろうな
「はい、じゃあ約束ね」
「わっ!あり、がとう…ございます」
庄左ヱ門が受け取った薬草
それをしかと見たと言って姿を消す雑渡さん
「なぜ、くれたのでしょう」
「…色」
「…さん」
「裏がありそうで怖いですね」
「―――ーさて、帰るぞー」
なにか意図に気が付いたらしいきり丸と団蔵の頭をぐしゃりと撫で
背中を押してその場を急いだ
もどる つぎに
一覧に戻る