04,パラダイス銀河




「この学年一美しい私がなぜこのようなところにじめじめするあああああああああ!!」




すいません、穴から変な叫び声聞こえるんですが怖い
とりあえず木からそっと穴を覗いてみれば紫色の服
以前庄左ヱ門から聞いた学年色と合わせると四年生…なんよな



「だいじょうぶかー?」
「はっ!声…!!どなたか存知あげませんがこの学年一優秀で美麗な私を助けてはくれませんか!」
「礼儀正しいんやな、案外」




穴に降り彼を覗き込む
確かに自分で言うだけはあるその美貌にほへーとしていると
彼も唖然と俺を見て



「なっあ」
「あ?」
「なんで一緒に落ちてるんですかぁああああああ!?」
「うぉおおおお鼓膜響くやないか!」



耳をおさえた俺にハッと彼が目をぱちくりさせる





「貴方、どなたですか?」
「おれ?や…キミは?」
「私は平滝夜叉丸」
「ふむ、平くん」
「滝夜叉丸とお呼びください!この美しい名前を世に広めるため、どこでも私の名前を呼んで覚えてくださればと思います」
「おっ…おう!滝夜叉丸な!」
「ええ、してさんは確か学園護衛の新人の方でしたか?」

「おお、よおしっとるなあ」
「そりゃあ私が学園一の優秀な人間ですから!」


「そんじゃまあとりあえず出るかこっから」
「え?」




ぽかん、と顔を呆けさせた滝夜叉丸を姫抱きにして穴から一蹴りで上がる
ストンッと地面に降りた瞬間


ドーンッ



「「え」」




大きな音に空中を2人で仰げば大きな大砲
なんで大砲玉がとか言ってる場合じゃない
滝夜叉丸を穴にもう一度入れてその大砲玉にロープを巻きつけ裏山に飛ばす




「おお、すごい」
「凄いね、ごらんユリコ…弾があんなに飛んで行ってしまったよ」




現れたのは美形集団
おお、キラッキラやな紫組は




さん…引き上げてもらえますか?」
「おっおお、堪忍」






滝夜叉丸を引き上げれば、ムスッとした表情





「ごらぁ!!三木なにしている!!危ないじゃないか!!」
「なにをそんなに怒るんだ…ユリコが驚くだろ!」
「ふむ、ターコちゃんが役に立った」


「そもそもの原因だド阿呆!!」
「おーおー、元気なこっちゃなあ」



「そういえば貴方見かけませんね」
「そうだね、不審者?」



「お前ら私の話を聞いていなかったのかぁああああああああ!!」




裏裏山の鳥が羽ばたくくらい
滝夜叉丸の声は大きかったと思います



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