41,希望フラグの消滅




さんが帰ってこない?」
「今、先生方が学園長先生のところで会議をしているらしい」

「あのバカは無茶しかしんのか!」
「…心配だね、怪我をしているみたいだから」
「………、あのバカ」



仙蔵の舌打ちが保健室内を包む
その仙蔵も複数の視線に耐えきれず、なんだと声を漏らした



「何か知ってるのか、仙蔵?」
「そういえば、この間の喜三太救出の時はと一緒にいたと聞いたぞ!!」
「――、のこと…何かわかるの?」




留三郎、小平太、伊作の質問にフイッと外に線を向けた仙蔵



「私をかばったとき」
「かばったとき?」

「刃物が人間を貫く音が聞こえた」

「「「――――ッ」」」
「…、斬られたのか」




長次の言葉に仙蔵がグッと拳を作る




「ああ、あの後利吉さんに何か言われていた」
「――、斬られてるのに行方不明なんて」





伊作の真っ青な顔
ガタッと立ち上がった小平太が障子を開ける





さんを探しに行く」
「小平太!」
「――…私もそう思っていた」
「仙蔵までなにを言ってるんだ!!どこに居るかもわからないのに闇雲に…!!」



「探さなければ…!」





叫んだ仙蔵に全員が止まる




「アイツは死ぬと思う」
「私もそう思う、だから」




探さなきゃいけないんだ
そういって長屋を飛び出した2人が地面を踏んだ瞬間
ズボォッ!!と大きな音を立てて2人がタコ壺に落下した




「だーいせーこー」
「あ、綾部…」
「やはり、血迷いかけてましたか…」
「平も、いたのか」
「全員いますよぉ〜?」

「先生に上級生を止めるように言われましたから」


「上級生?」




留三郎が首を傾げ、お前らも上級生だろ?と言えば



「私たちは五年生六年生と違い計画的なので」
「言うようになったな…」



「大丈夫ですかあ?」
「立花くん、手…貸すよ」

「……、綾部!邪魔をするな!!」





タカ丸に引き上げられた仙蔵と小平太
仙蔵が喜八郎に怒鳴れば、きょとんとした顔で喜八郎が仙蔵を見ていた




「闇雲に探せば、さんの死期が早まります」
「戦力になる立花くんたちまで行方不明じゃ、下級生も不安がっちゃうからね」



のほほんっとタカ丸が言えば、目を見開く仙蔵




「そうだよ、ちゃんと計画を立てないと、は見つからないし、助けられない」
「伊作…」

「誰もが今すぐ探したいんだよ…今まで沢山助けてもらって守られて」
「…」
「今度は僕らが助けなきゃって思うんだ」
「甘え方を全く知らない阿呆だからな」



「ああ、そうだな」





帰ってきたら思い切り説教して、思い切り抱きしめてやればいいと思う





「ぎゃぁあああああああああああ!先輩おちついてくださーい!」
「ちょっ!不破先輩まで!」
「尾浜勘右衛門先輩も落ち着いて!!」

「藤内ぃいい!そっちに鉢屋三郎先輩がいったぞぉおおおお!」
「えっえっ、あ、数馬!?」
「ひっ!わあ!?」
「わー!数馬先輩と左近先輩がタコ壺におちたぁあああ!!」


「三郎先輩が出て行っちゃうぞー!!」





「「「「「「「…」」」」」
「せんぱぁい!助けてくださぁぁい」




飛び込んできた一年達に、全員が目配せさせ少し、笑った




「鉢屋ー!暴れるなら私が相手だドンドーンッ!!」
「ぎゃあぁあ!?なんで七松先輩が!」


「「「鉢屋ぁあああ!!?!?」」」





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