51,作戦/弐




「さっ、作戦2!庄左ヱ門!」
「うん、今は鉢屋先輩を部屋から出すことを考えよう。伊助」


「う、うん!僕がきり丸と一緒に不破先輩と久々知先輩に協力してもらって
 鉢屋先輩の部屋を掃除させてもらおうよう頼む」


「きっとそしたら尾浜先輩か竹谷先輩のところに来ると思うんだ」





庄左ヱ門がチラリと三治郎と虎若を見る





「僕としんべヱで尾浜先輩の部屋に行く。」
「僕らは竹谷先輩の部屋に行って!」



「鉢屋先輩の居場所をなくす!!そしたら、喜三太…!金吾…!兵太夫!!」



「はい!」




3人が手を上げビシッと敬礼をする





「2人は鉢屋先輩をなんとかして、医務室に連れて行くんだ」

「なんとかかあ」
「僕とナメさんならできるよぉ!」
「絡繰りを駆使すれば…鉢屋先輩一人や二人!」




「うん、乱太郎と団蔵は、見張り役…今回僕も尾浜先輩のところへ行かないといけないから
 あとはよろしくね」


「おう!」
「はぁい」





大丈夫な気がしないのはきっと気のせいじゃないと思うなあ
団蔵にらんたろー!と呼ばれてその不安は拭うしかなかった











急にきり丸と伊助が現れ、雷蔵に部屋を追い出された
こんな時に掃除とはなんだ、と雷蔵を見れば




「きり丸達が折角だからって掃除してくれるんだって、優しい後輩だよね(でてくよね?三郎)」
「(や、矢羽根…)は、はい」



肯定すれば嬉しそうに雷蔵が私を足蹴した


まあ、いいやと竹谷の部屋を開けた瞬間、目の前に忍び刀が刺さる
ヒッと声を出す前に明るい声、一年は組の良い子の声が室内に響いた




「あー!だめですよ!先輩!今は、絡繰りの勉強中なんですー!」
「な、さ、三治郎…」
「わりぃな、三郎…なんか用かー?」


「い、いっいや…何でもない…」




失礼した、と障子を閉めれば、楽しそうな声が響くけど



「(今、虎若と八…吊るされていた)」




こわいこわい、と次に勘右衛門の居る部屋を開いた




「あ、」
「あ」
「ふへほ、ほふほうせんふぁい!」




竹落としが鳴ってもいいほどのんびりとした空間
もぐもぐとかわいらしい頬が揺れているのはしんべヱ




「…そこ違ってるよ、庄左ヱ門」
「え、あ…本当だ」
「ふぉふぉふぁふぇんふぁいほほうへふは?」

「―――、じゃ、邪魔をした」





パタンッと閉める
そのまま縁側に座りはあと息を吐いた




「(落ち着ける場所がない)」
「せーんぱい!」
「今、お暇ですか?」


「あいにく、暇じゃ…ッ」





さっきからなんなんだと顔を上げればニッコリ微笑む兵太夫
私の腕を掴む、金吾




目の前にはナメクジの壺を持つ喜三太
ヒクリ、と頬が吊った








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