54,ありがとうございました




さーん、ってあらら」
「いさっくん?」
「どうした、伊作」
は中に居ないのか…っと…、さん…」



乱太郎たちに今朝呼ばれ、昨日の説明をされ
医務室に向かう




『先輩…、さん…帰っちゃうんでしょうか』




寂しそうな表情をした乱太郎の問いに、そんなことないよ…とは言なえかった




「……親子みたいだな」
「っはは、そうだね…、ってばこんな抱き着いちゃって」



後ろに居る同級の友人も苦笑してを起こしにかかった










「本当に帰るんじゃな…」
「はい、世話になりました」
「足がつかえなくとも、城を収めることは可能じゃ、諦めないことだ」
「ええ、迷惑かけてしまった民にも…詫びを返したいと思っています」


「民は怒っておらん、事情は我が学園のくノ一が情報を漏えいしたからな」
「何から何まで、大川殿に貸しばかりだ」
「構わん構わん、こちらも助けられたからの」

「?」
「なあ、
「えっ、わっ私ですか!?」



完全に気を抜いていた俺にかかる声
驚いて学園長を見れば、ニカーッと笑ってくれた




にはいろいろと助けられた」
「――、俺…いっいえ、私こそ、助けられました」
「…は変わったよ」



若に頭を撫でられうつむいたままピクリと体を揺らす





「ぜんぶ、みんなのおかげです」





涙を流さないように、言えば
若からぐしゃぐしゃと強引に頭を掻き混ぜられた







「さてよろしいか?」
「お世話になりました」
「俺も、お世話になりました」

「寂しいの、が居なくなるのは」
「俺も、さみしいです」
「へむへむ」
「ヘムヘム、おおきに」




抱きしめておでこに唇を落とす
まとめた荷を持ち上げれば、スッと障子が開き
側近の人が現れ若を持ち上げる





「外に皆が居る、帰るぞ、
「――――、ええ」
「…、本当に残らなくていいのか?」



「ええ、俺は、俺の居場所に帰ります」
「こんな夜中に出て行かなくてもなあ?」
は、別れ方をしらねーんすよ」


「!そっそないなこと…」
「大声出すとバレるぞ、」
「!!」




頭を下げ、門を出る
出門表を門に手裏剣で止め門を出る






「おおきになぁ、皆」



もどる つぎに
一覧に戻る