06,走る音を聞いて





「んう?」




風が強く吹く中へむへむの中途半端な鐘の音に首を傾げる




「おお、ここにおったか!」
「学園長先生」
「いつも気配がないから探すのが大変じゃ」
「探せるあなたは流石です」
「当然じゃっ!はっはっは!」
「で、どないしたんですか?」


「おお、そうじゃ!いまから学園全体でを探すというイベントをやるんじゃ!」
「……」
「同意してくれるかの?」
「…はあ、学園長先生のお心のままに…」




逆らえるわけないやろ
この人一応主人なんやで


そういうや否や嬉しそうに姿を消し、気配の沢山する庭に向かって行った





「…どないしよ」
「あれーじゃないですかー」
「おー、秀作くんやないか」
「どうしたんですかあ?」
「いやあ、面倒なことになりそうで…」
「ほへぇ?面倒でも外に出るときは出門表をお願いしますねえ」

「はいな」




秀作君と別れてとりあえず皆がそろう庭の大きな木の上に隠れる





「質問はあるかー?」




厚木先生の声に各学の手があがる





「立花仙蔵」
「はい、…さんを捕まえたら…なんでもお願いを聞いてもらえるんですよね」
「ああ」

「それは、委員会の予算も増やせるということですか」




その言葉にざわりと上級生の気配が歪む
それに思わずえ、そこ?と声を漏らしてしまうほどだ






「ああ、もちろんじゃ」





学園長のことばにまたざわり






「じょ、冗談じゃないぞ!!そんなの我が会計委員が忙しくなる、ヘブシ!」
「なら、全力で挑まさせてもらおう」
「おい!!留三郎!!」

「あ?黙れよ、へなちょこ」
「なんだとー!!!」





ああ、喧嘩始まってもうた
そんな2人に中在家くんが縄を回して笑いながら押さえていた




「はーい!さんは学園内のどこにでもいるんですかー?」
「学園外には出るなといってあるから学園内ならどこかにいるだろう」




次々にあがる質問はきっと学園長が俺に与えるルールと思っていいだろう
暫く質疑応答がありでは!と土井先生の声





「はじめっ!!」





下級生のわー!という声、上級生の消える足音





「(足音立てるあたり…まだ忍たまやなあ)」





さてと、じゃあ俺も逃げるとしましょか




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